OAフロアに必要な高さは?

大(高い)は小(低い)を兼ねる?

OAフロアの基本機能は配線収納であるとすると、「高さが高いほど配線容量が大きい=優れている」といえます。
ですが、この視点だけで高さを決定することはリスクがあります。
OAフロアは配線容量だけでなく、配線メンテナンスに伴う着脱性、床そのものとして人や台車の移動・什器の荷重を支える耐久性なども求められます。
一般的に高さが高いOAフロアは支柱調整式と呼ばれる形状となり、メンテナンスの際には以下のような手間が発生する場合があります。

  • 10kgを越えるパネル(※材質及び構造による)を持ち上げる作業
  • 専用工具が必要
  • 500mm角や600mm角のパネルを外すために什器移動が必要

令和のオフィスの配線事情からするとH=100は必須ではない

OAフロアの採用が始まった平成初期のオフィスでは、電力消費の大きなPC・LANのスター配線・大量の固定電話などの要因で大量の配線があふれることが一般的で、OAフロアにも一定の高さ(H=100mm以上)が求められました。
現在のオフィス事情も同様でしょうか?
昨今のオフィスでは無線LANの導入率は78.9%(※1)で、LAN配線は減少しています。
また、フリーアドレスを導入した企業の割合が19%(2019年)から40%へ増加(導入予定も含めると49%)(※2)しており、省電力なノートPCの普及や固定電話の減少も示唆されており、床下の配線量は平成初期の半分もないのではないでしょうか。
このような事情を鑑みますと、従来標準的とされたH=100mmから半分のH=50mm以下に抑えても問題ないオフィスが一般的となっていると考えられます。

※1 西日本電信電話株式会社による「オフィスWi-Fi導入実態調査2022」より
https://www.bizclip.ntt-west.co.jp/articles/bcl00014-031.html
※2 森ビル株式会社による「2022年東京23区オフィスニーズに関する調査」より
https://www.mori.co.jp/img/article/230131_2.pdf

高さが低いOAフロア=低床OAフロアのメリット

低床OAフロアには大きく4つのメリットがあります。

  1. OAフロア本体価格が安い傾向にある(コストダウン)
  2. 床下のデッドスペースを削減してスペースの有効活用が可能(天井高確保、天井裏の設備スペース拡張など)
  3. 新築案件の場合、低床OAフロアを採用して建物全体をコンパクトに仕上げることで、高さ制限への適応や建築費の削減が望める
  4. 後付け(改修工事)の場合、スロープが短くなりデッドスペースを削減

低床化のデメリットはない?

いいことばかりのようですが、低床OAフロア採用に際して次の3点は特に注意が必要です。

  1. 本当に配線が収納可能であるか、採用前に確認(当社でサポート可能)
  2. 低床OAフロアは置敷製品(床に直置き、またはシート設置後に敷設)が多いため、既存床の状態に注意
  3. 床そのものとしての強度や耐燃焼性能、メンテナンス性などにも留意

共同カイテックの低床OAフロア=ネットワークフロア

当社のネットワークフロアは業界内でも先駆けて1986年に販売開始された低床OAフロアのロングセラー製品です。
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1フロアで1,000m2を越える大型オフィスなどへの豊富な実績情報や、配線シミュレーションサービスによって低床OAフロア採用の可否を事前に・視覚的に判断が可能です。
OAフロアご検討の際にはぜひ一度お問合せください。