2026/09/28
OAフロアH=100mmは本当に必要?新築オフィスの配線量を調べてみました
OAフロア

現在、多くのオフィスでは、床下に電源・通信ケーブルを収納するためにOAフロアが採用されています。
突然ですが、そのOAフロアの中に何本の配線が収納されているか、数えたことはありますか?
数えたことはなくても、「大きなオフィスになればなるほど配線の数は多くなる」と考えてしまいそうですが、これは本当でしょうか?
この疑問に答えるために、実際にOAフロアの中を確認し、配線量調査を行いました。
今回は、その第1弾の調査結果をご紹介します。
調査ビルの概要
調査対象は、東京都千代田区二番町に2025年8月に竣工したオフィスビルです。
建物の概要は以下の通りです。

調査フロアの概要
今回は、ビル内で執務人数が多い2フロアを調査しました。
本コラムでは、調査した2フロアのうち、床内配線量が多かった9階の結果を詳しくご紹介します。
稼働中のオフィスであるため、執務室内には立ち入らず、廊下に隣接するEPS付近で、執務室へ向かう配線の本数と収納状況を確認しました。
9階の執務人数は22人で、執務空間面積は260m2、1人当たりの執務空間面積は約11.8m2です。
この条件を見て、どのくらいの配線量があるのか、想像してみてください。

配線量実態調査結果 9階
9階の調査結果を確認してみます。
EPSから執務室へ向かう配線が集中すると想定されることから、EPS前を調査箇所としました。

このビルで使用しているOAフロアは、弊社の「ハイスチールH=93mm」です。
H74mm×W95mm(最小部寸法)の配線溝が縦横に配置される構造です。
EPSとの接続部には、W165mmのフィードインチャンネル(Cチャンネル)が配置されます。
仕上げ材とOAフロアパネルを外して確認したところ、EPSから廊下に向けて3か所の開口が設けられていました。
各開口部の配線状況と調査結果を、以下の画像にまとめています。

最も配線量が多い溝には、ICTケーブル(10P)が9本、(20P)が5本収納されていました。
一方で、配線が収納されていない未使用の溝も確認されました。
配線にはたわみやうねりがあるため、実際の収納状態とは差が生じますが、各ケーブルの外寸から断面積の合計を算出すると、約2,564.8mm2となります。
配線収納に使われている6溝(A~F)の床内空間断面積合計(42,180mm2)と比較すると、配線断面積の占有率は約6.1%でした。
断面積による比較では、床下空間に比較的大きな余裕があることが分かります。
さらに、今回確認した範囲では未使用の配線溝も残されており、将来の配線増設に対応できる余地があることが確認できました。
仮にネットワークフロア40(H=40mm)だったら?
今回の調査では、配線断面積による比較において、床内空間に余裕がある状態であることが分かりました。
過去コラムでは低床OAフロアのメリット(リンク)と共にネットワークフロア40を何度かご紹介していますが、仮に、今回のOAフロアがH=40mmのネットワークフロア40だった場合、どうなっていたのでしょうか。
ネットワークフロア40とハイスチールでは基準ユニット単位が異なるため、単純比較はできません。
今回の調査範囲ではEPS前のフィードインチャンネルのうち、6本に配線が収納されていました。
ネットワークフロアのフィードインマット40Nを2ユニット並べると、配線溝が6溝形成されるため、この条件で比較してみます。
2ユニットのフィードインマット40N(6溝分)の床内空間断面積は、26,687mm2となり、配線による断面積の占有率は約9.6%と概算されます。
断面積による概算では、今回確認した配線量に対して、フィードインマット40Nを用いることで必要な配線スペースを確保できることが確認されました。
※フィードインマットについて詳しくはコチラ
※実際の採用にあたっては、ケーブルの種類、曲げ半径、交差、施工性、将来増設量などを考慮した個別検討が必要です
参考として、調査結果の写真②(VVFケーブルの入線部)と同量の配線を、フィードインマット40Nに収納した際の状況を確認しました。
基準ユニットの寸法や構成が異なるため単純な比較はできませんが、9階で確認した電源ケーブル量については、フィードインマット40Nの1ユニット内に収納しても一定の余裕があることを確認できました。

配線量に応じたOAフロア高さの検討を
今回は、東京都千代田区の新築オフィスビルで実施した配線量調査の結果をご紹介しました。
今回確認した範囲では、配線による床下空間の占有率は約6.1%であり、未使用の配線溝も残されていました。
これは一つの調査事例ですが、OAフロアの高さを検討する際には、従来の標準寸法だけでなく、実際に想定される配線量を確認することが重要です。
配線量に応じてOAフロアの高さを抑えることができれば、材料使用量や施工費などの削減につながることが期待されます。(過去コラム参照)
当社では今後も同様の調査を継続し、現代のオフィスにおける配線実態を明らかにしていきます。
また、共同カイテックではOAフロアの健康診断を実施しています。
床の状態確認と併せて配線状況を調べたい方は、当社までご相談ください。













