2026/05/15
天井高拡張の切り札!?OAフロア更新で 天井高50mm拡張を実現した事例紹介
OAフロア

建設工事費は、この10年で約3割上昇しており、特に直近数年では急激な上昇局面が続いています。
さらに近年では、サーキュラーエコノミーをはじめとする地球環境への配慮も、建築業界全体の重要なテーマとなっています。
こうしたコスト面と環境面の両立が求められる中、スクラップ&ビルドを前提とした建て替えではなく、既存ビルを活かしながら価値を高める「リノベーション」という選択肢が、現実的な判断として注目されています。
今回ご紹介するのは、そうした既存ビルのリノベーションにおいて、OAフロアを見直すことで天井高を約50mm拡張し、空間の開放感と有効性を高めた事例です。

原状回復工事に合わせてOAフロアを更新
一般的な原状回復工事では、OAフロアは補修対応で済ませるケースが多く見られます。
しかし本事例では、原状回復工事のタイミングを活かし、OAフロアそのものを更新しました。
単なる「同仕様での入れ替え」ではなく、必要十分なOAフロア高さへ見直すことで、天井高さを確保し、空間価値を高めるという一歩踏み込んだリノベーションとなっています。
具体的には、既存の H=100mm OAフロア から、H=40mmの「ネットワークフロア40」へ更新し、専有部内で約50mmの天井高拡張を実現しました。
[OAフロア更新+低床化の理由]
・既存OAフロアのガタツキ問題改善を目的に、補修ではなく更新を実施
・支柱調整式OAフロアでガタツキ対応に苦慮した経験から、今回は置敷タイプを選定
・低床化により天井高を確保し、空間価値向上を図った
高さを変えて納まりは大丈夫?→下りスロープで対応可能です
「OAフロアの高さを下げる」と聞いたとき、「入口の段差はどうするの?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
本事例では、ビル新築時からH=100mmのOAフロアが導入されており、共用部と専有部の境界は、沓摺(くつずり)を介して段差の無いフラットな納まりとなっていました。
専有部のOAフロア高さを縮小することで、沓摺を境に段差が生じるため、今回は、専有部内に共用部とフラットになる干渉スペース(H=100mm)を足1歩分+α程度設け、そこから「下りスロープ」を設置しました。
「下りスロープ」と聞くと違和感を覚える方もいらっしゃいますが、行きが上りスロープであれば、帰りは必ず下りスロープになります。
本事例では、実用上の支障は小さく、十分に許容可能な納まりであると判断いただきました。

配線容量は足りる?→必要十分以上の能力を確保しています
OAフロアを低床化する際、もうひとつ多く聞かれるのが、「配線容量は大丈夫なのか?」という点です。
今回採用されたネットワークフロアは、有線接続が主流だった平成初期から様々な建物で採用されており、2026年現在で1,600万m2を超える納品実績があります。
加えて、無線LAN普及・固定電話減少といった平成から令和にかけてのオフィス環境変化により、オフィスの配線量は減少傾向であるといえます。
以上より、ネットワークフロア検討時における配線容量の懸念は、現代においてほとんどの案件でクリア可能と考えられます。
また、当社では、案件ごとの条件に応じて「配線シミュレーション図」の作成も可能です。
想定執務人数や将来を見込んだ予備配線量を、あえて余裕を持って設定し、電気設備ご担当者様へのヒアリングを行いながら、「これなら安心」と感じていただける資料をご提供しています。
詳しくはお問合せください。

床高さよりも"天井高さ"がオフィスの価値を左右する
配線量が減少した現代のオフィスにおいて、OAフロアの高さそのものが重視される場面は、以前ほど多くありません。
むしろ近年は、
・ウェルビーイング
・ウェルネス
・バイオフィリックデザイン
といった、「働く人がいかに快適に過ごせるか」という視点が重要視されています。
天井高さが低い空間では、圧迫感や閉塞感を感じやすく、長時間の滞在によって無意識のストレス要因となる可能性や、集中力の低下・疲労感の増大につながる可能性も指摘されています。
配線容量が十分であることがわかっていれば、OAフロア高さを縮小して天井高さを拡張することは、オフィスの環境を改善し価値を高める合理的な選択肢といえるのではないでしょうか。
OAフロアの低床化をご検討の際は当社までお問合せください。












