屋上緑化に適した植栽について
屋上緑化に適した植栽について
推奨する植栽をご紹介
自由設計に応じた様々な植栽と設計上のポイントをご紹介
共同カイテックの屋上緑化システムは、芝生をはじめとした地被植物などの薄層緑化から低中木等を扱う客土式の庭園型緑化まで幅広く対応可能です。植物により製品を変える事はなく、一つの緑化システムで土壌の厚さを調整するだけで地被類や中低木類の植栽が可能となり、美しい屋上庭園を実現することができます。
1.屋上緑化システムの基盤設計
共同カイテックの屋上緑化システムは自由度が高いため、設計状況や施工条件に合わせ、建物への負担を抑えつつ、最低限で最適な屋上緑化仕様を設計することができます。また、中木、高木などを入れた庭園を設計する際は、庭園のデザインにより土壌厚・積載荷重が異なりますので、その計算が必要です。
以下に在来工法の基盤構成と、屋上緑化システムを用いた場合の基盤構成を示します。
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在来工法は、緑化基盤(防根層、保水排水層、フィルター層等)に土壌を重ねた工法です。この工法は土壌が厚くなってしまうため、荷重が大きくなるのが特徴です。また、耐根層をしっかり施工しないと防水層を傷めるので注意が必要です。
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共同カイテックの屋上緑化システム(スクエアターフLight)は、雨水を貯める貯水トレーがあるため、保水力が高くなり、薄層で植物を生育することが可能です。また、土壌はコンテナ内に収納されている構造のため、防水層に負担がかかりません。
屋上緑化を設計をする際の検討事項
1)屋上緑化を検討する際は、主に下記の項目について確認いたします。
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緑化の目的と用途
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必要緑化面積
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設置場所の高さ
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屋根形状
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方位
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積載荷重
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防水仕様
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排水設備(ドレーンの場所)
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空調等設備機器の有無
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給電・給水設備
2)これらを元に、計画を立案いたします。
- 耐根層の選択(防水仕様によるプライマーの選択)
- 屋上緑化システムの選択(積載荷重との整合)
(屋上緑化システムの特長は緑化基盤資材が一体化された製品であるため、施工性・コストにおいて大きな効果を発揮いたします) - かん水システムの検討(雨水貯留型、センサ式、タイマー式などのかん水方法の検討)
- 植栽計画の検討
植栽と土壌厚の関係
植種の選定と配置、また植物の大きさは、緑化デザインに於いて重要な要素です。樹木を植える場合、それに見合った土壌厚を確保しなければなりません。植栽する植種によって適切な土壌厚を確保することは重要であり、それに比例して荷重も異なってきます。共同カイテックの製品は貯水機能と自動かん水により、高い保水力を持つことで最低限の土壌厚で構成することが可能です。しかし、在来工法は植栽の根鉢に応じた土壌厚に加え、貯排水機能を考慮した荷重のかかる大がかりな緑化システムとなります。
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在来工法は保水力の関係から土壌厚を厚く設計します。よって、積載荷重への影響は勿論のこと、土壌がとても厚く重量があるため、防水改修・復旧、撤去時に相当の費用がかかると予想されます。
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屋上緑化用の製品システムは、製品構造とその特長から最低限の土壌厚で設置することが可能です。躯体にかかる積載荷重を削減できる他、防水改修時の復旧も容易に可能となります。
2.屋上緑化に採用する植栽の選定ポイントと考慮すべき点
屋上緑化システムでは、大半の植物が植栽可能ですが、植物が正常に生長していくには、植え付けられた植生環境や管理条件に応じた植物を選定することが重要です。屋上緑化ならではの特殊環境の下で植栽を選ぶ際に「特に注意すべきポイント」をご紹介します。
- 自治体によりセダム類やコケ類は緑地面積にカウントされない場合があるため注意する。
- 風の影響が大きい中高木は極力避ける。
- 庇下はなるべく避け、降雨が当たる場所に植える。
- 根の張りが小さい植物、また風により植物の葉に影響のある植物は避ける。
- 枝が暴れて管理に手間がかかる植物は避ける。
- 病害虫に強い植物で、かつ健全な苗を選ぶ。
- 施工当初より大きな株を植えない。(緑化基盤へのなじみが悪い)
- 各種耐性(乾燥等)の異なる植物の混植を避け、ブロック単位でのデザインとする。
- 笹類、竹類は根張りが激しく耐根層を傷める恐れがあるので避ける。
屋上緑化の設計に役に立つコラムも掲載していますので合わせてご覧ください。
3.屋上緑化に適した植栽①-芝生
通常の屋上緑化や法的緑化としての屋上緑化をする際には、コウライ芝のような省力管理が可能な芝生類の植栽がおすすめです。共同カイテックでは、次の芝生を取り扱っています。それぞれの芝生によって、特長やメンテナンスの方法などが異なりますので、導入の際には芝生の種類をご確認の上、何かご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
日本芝は全て暖地型ですが、西洋芝には寒地型のものと暖地型のものがあり、ケンタッキーブルーグラスは寒地型の西洋芝に属します。
暖地型の西洋芝としてはバミューダグラスなどがあります。
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コウライシバ
日照環境 日向 観賞時期 4月~9月 常緑・落葉 落葉 管理のしやすさ 〇 特長 日本芝の代表ともいえる高麗芝(コウライシバ)は、日本では東北以南で最も多く使用され日本の風土に適した芝です。他の芝に比べ耐隠性・耐湿性にすぐれ踏圧にも耐えます。葉幅が狭く密度も高いため、定期的に芝刈りをし、手入れをしっかりと行うことで、美しい芝生にすることができます。 -
ノシバ
日照環境 日向~半日陰 観賞時期 4月~9月 常緑・落葉 落葉 管理のしやすさ 〇 特長 日本芝の中でも自生率の高い、野生種に近い品種であることが長所です。葉が硬いこと、踏み圧にも強いこと、病害虫にも強い性質があるため、ゴルフ場や公園などで多く使用されています。生えてくる葉は幅が4mm以上で大きく粗めで成長も比較的遅いため密になりにくい品種ですが、裏を返せばコウライシバ程、手入れに時間をかけなくても良いことが特長です。 -
省管理芝ーみじょか/なるみどり(登録品種)
日照環境 日向 観賞時期 4月~9月 常緑・落葉 落葉 管理のしやすさ ◎ 特長 従来、景観を重視する場合の芝刈りはコウライ芝で年4回程度必要 ですが、省管理芝"みじょか"は超矮性のため草高が低く1年間に5cm程度の伸びで、2~3年に1度程度の芝刈りでも、美しい景観を維持すること ができます。みじょか"は大変葉が細かくコウライ芝の1/2程度です。節間も短いため、弾力性が高く緻密な芝になります。 -
ケンタッキーブルーグラス(西洋芝)
日照環境 日向 観賞時期 通年 常緑・落葉 常緑 管理のしやすさ △ 特長 寒さに強く、15℃~25℃の穏やかな気候で植栽するのに適した品種です。北海道での施工実績もございます。冬季であっても緑の葉色を維持できることや、また踏圧にも耐えることができることから公園やゴルフ場に利用されています。寒冷地型なので夏場30℃を超える日が続く地域は夏枯れすることがあります。またコウライシバなどの日本芝に比べ生育が早いのでこまめに芝刈りをする必要があり、管理の手間がかかります。
4.屋上緑化に適した植栽②-地被植物
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タマリュウ
日照環境 半日陰~日陰 開花時期 通年 常緑・落葉 常緑 管理のしやすさ ◎ 特長 花壇の縁取りや木の根元の飾り、寄せ植えのリーフプランツなどに利用幅の広い多年草です。背丈が出ない為、メンナンスが容易です。 -
フッキソウ
日照環境 半日陰~日陰 開花時期 通年 常緑・落葉 常緑 管理のしやすさ ◎ 特長 建造物の周囲や樹木の陰になる場所など、半日陰の緑化材料として使いやすい植物です。常緑性で、一年中同じような状態を保ち、ほとんど手入れ不要で草姿の乱れもなく、マット状に広がります。 -
フイリヤブラン
日照環境 半日陰~日陰 開花時期 8月~10月 常緑・落葉 常緑 管理のしやすさ 〇 特長 ヤブランの改良種です。葉に斑が入っている為、明るい印象を出せる人気の樹種です。夏に小さな花をつけ、秋から冬にかけて実をつけます。 -
ローズマリー
日照環境 日向 開花時期 周年(品種による) 常緑・落葉 常緑 管理のしやすさ ◎ 特長 開花時期にはたくさんの小さな花が咲き続ける可愛らしい印象の植物です。種類を選ぶことでコンテナ栽培、ハンギング仕立て、グラウンドカバーなどにも利用できる、育てやすいハーブ類です。ローズマリーは非常に強健で、乾燥した痩せ地でも育ちます。また強風にもよく耐える性質なので、非常に育てやすい植物ですので屋上緑化でも使用されます。
屋上緑化に適した植栽③-低木/中木/高木
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アセビ
日照環境 日陰~日向 開花時期 2~4月 常緑・落葉 常緑 管理のしやすさ ◎ 特長 葉や茎には、有毒のアセトポキシンが含まれています。日陰でも育ち寒さに強いのが特長です。枝分かれが多く、自然に樹形を整えるため、余り手をかけずに育てることができるが、木全体の形としては、頭でっかちなものや、不恰好に育つものも多い。 -
フィリフェラオーレア
日照環境 半日陰~日向 観賞時期 通年 常緑・落葉 常緑 管理のしやすさ 〇 特長 年間を通じて黄金色の枝垂れた葉をもち、彩りの地被として最も人気のある針葉樹です。陽地では冬に褐色を帯び一際発色が冴える樹種で屋上緑化にも頻繁に使用されます。柔らかくて触れても痛くありません。成長が早いのも特長の一つです。 -
サツキツツジ
日照環境 半日陰~日向 観賞時期 5月~6月 常緑・落葉 常緑 管理のしやすさ 〇 特長 実際の開花時期は地方や環境にもよるが5月~6月中旬で、開花期は長い。花はツツジの仲間としては小さいです。街路樹にも使われるほど都市の環境にも適応する植物です。 -
シャリンバイ
日照環境 半日陰~日向 観賞時期 通年 常緑・落葉 常緑 管理のしやすさ ◎ 特長 自生は暖地の海岸近くに多く、日本以外でも東南アジアや東アジアにかけて広い範囲に分布します。潮風や大気汚染に強い性質を利用して街路樹や公園樹として利用されることが多いです。枝葉が規則的に生じ、樹形は自然に整います。成長も遅めであるため剪定の必要性は低いのが特長です。