2026/02/06
『最新緑化事情』について議論する
屋上・壁面緑化
『第2回最新緑化事情セミナー報告』

1. 第2回都市環境研究会
2026年1月23日、共同カイテック本社において、『都市環境研究会』主催の第2回緑化セミナーが開催されました。テーマは前回から引き続き『最新緑化事情を考える』とし、環境認証、壁面緑化、都市環境基盤、仙台市街路の再設計・整備について報告がされました。『都市環境研究会』は、緑化資材メーカー、ランドスケープ設計者、建築設計者、生産者など都市緑化の最先端で活躍する専門家が集まり、現場での問題や課題点を議論しようとするものです。今回はオンライン含めて80名以上が参加しました。
2. 緑化セミナー報告
共同カイテック(株)FS事業部贄田課長からは、『環境配慮とは何か』の問いから始まり、建材にはなぜ環境配慮が必要なのかの説明がありました。またESG投資などにより情報開示の必要性、そしてその対策が急務であることが報告されました。グリーンビルディング認証については体系的に整理、それぞれの認証について詳しく説明がありました。特にサーキュラーエコノミー、サーキュラーデザイン(循環型設計)については3R(Reduce,Reuse,.Recycle)から12Rの考え方が建材にも必要になると報告がありました。
②壁面緑化の最前線の取り組みPART2
株式会社グリーニアン岡田社長からは、前回に引き続きシンガポールの壁面緑化について報告がありました。特に都市緑化政策については、緑化の面積(2D)から体積(3D)という葉の総量を評価し生態系機能を担保している話などがされました。またシンガポールでは資産価値として緑が正当に評価され、緑=健康、富という考えがあると報告がされました。維持管理については資産価値向上への投資と定義している話など、実際の建築物の事例写真とともに紹介がありました。
またグリーニアンが手掛けた芝浦や大手町ビルの施工事例も詳しく説明があり、安定した壁面緑化となっていることが報告されました。
③都市緑化における植栽基盤
ダイトウテクノグリーン(株)緑化資材開発部部長澤田さんからは、都市緑化の植栽基盤について詳しく説明がありました。はじめに植栽基盤の不良事例を写真と共に紹介があり、調査方法、判断基準、そして整備方法について実際の事例写真と共に報告がありました。土壌については、適正な質と量が壁面緑化を含めた成功の道筋と説明がありました。特に壁面緑化の土量は平米あたり50リットルの土が必要であると話がありました。最後に、樹木が正常に育つための要件は植栽基盤であり、基盤を変える事で樹勢が変わり、健全な景観、価値の向上につながると話がありました。
④交通優先からの転換〜仙台市における街路・緑空間の再設計〜
古積造園土木(株)古積社長からは、仙台の街路空間の歴史と変遷、そして現在の整備状況について説明がありました。変遷については、戦災復興は緑により都市再生が行われた事、後に市街地の緑の回廊整備がされた事など報告がありました。そして「今なぜ街路を見直すのか」と問いがあり、街路が交通処理から都市の価値へ、速さから居心地へと変わっていると報告がされました。更に定禅寺通り再整備工事の事例から根系保全型施工を紹介、「街路樹は障害物でなく守る対象」であると話をされました。古積社長は、「いちばん弱いものに合わせてつくる」と話をし、「その選択は成熟した都市かどうかの分かれ目」、そしてこの定禅寺通りの街路整備は『未来の風景への意思表示』と話がありました。
3. まとめ
以上のように、いずれのセミナーも各現場における生の声が届けられました。今回のセミナーはいずれも今後の都市緑化における課題が抽出されました。サーキュラーデザインという考え方、政策としての葉の総量、植栽基盤の重要性、そして古積社長の「弱いものに合わせてつくる」という話は心に深く刻まれるものでした。
我々都市環境研究会は、現場の目線で、緑地の最前線を報告、議論していきたいと考えています。次回は今年の秋に予定しておりますのでご期待ください。













